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本町高齢者在宅サービスセンター

本町センターの認知症ケア

 介護保険制度・施策上の通所系サービスは、身体的リハビリを重視する傾向があります。
 そのこと自体は、決して悪いことではありません。が、私たちには心があり、心が動かなければリハビリをする気にもなれず、身体的リハビリだけを重視しても効果があがらないというのが現実です。
 そこで、当センターでは身体的リハビリ以前に心のリハビリが大事と考え取り組んでおります。
 年齢を重ねて身体が言うことをきかなくなり、自信を失う。自信を失えばチャレンジすることを辞める。チャレンジすることを諦めたら、出来ていたことも次第にできなくなってしまう…。このような悪循環を繰り返して、要介護状態がつくられます。
 また、周囲もできなくなってきた姿を見ると、「危ないから」、「頼りないから」…などと言った理由からまだ少し手助けすればできることもこちらで代行してしまうことが少なくありません。なぜなら、そのほうが、確かですし、危なくもなく、手間も省けますから。
 でも、それでは生活主体者として生きている実感が薄れてゆくばかりにならないでしょうか。どんどん無気力状態になってしまい依存傾向をより強めてしまうのではないでしょうか。
 しかし、とはいっても一方で、家庭では確かにご家族も忙しく、時間を割いてサポートできないのが現実でしょう。だから、ぜひ、当センターをご活用いただき、ご高齢になっても元気に過ごせるように応援していただけたらと思っております。
 「病は気から」といいますが、「要介護状態も気から」と言えます。気持ちが元気になれば、健康でいられるように自ら身体づくりにも努力できるようになるからです。たとえ認知機能が低下しても、気持ちよく元気で過ごせられるようにとお支えしていると、気力・体力ともに健康さを取り戻してこられていることも私たちは長年の支援で実感しています。
 そのようなわけで、当センターのケアは心のサポートに重きを置き、できるだけ「くらし」に密着した活動を大切にしています。そのほうが、馴染みの活動に自信を取り戻していただきやすいからです。ここでは、そうした活動の一部をご紹介しています。ご利用者様・職員の交流に暖かいエールを頂けたら幸いです。宜しくお願いいたします。


 昨年度、首題のスローガンを立てご利用者様も職員も互いに、いまを生きることを実感できるような過ごし方をすることにチャレンジを始めました。同じ時代を、同じ場所で,、同じ時間を過ごす現在は、本来かけがえのない瞬間なのではないかと思うからです。
 だから、私たち事業者が一方的に決めたメニューやプログラムをご利用者様にこなしていただくようなデイサービスはもういい加減に卒業すべきと考えています。
 「私、介護する人。あなた、介護される人」といった関係性もどうなのでしょう?改善されるべきではないでしょうか?
 介護保険が自立支援を目的としているのなら、本来その自立をどう実現するかをご利用者様とともに考えることが大事です。それこそご利用者様が自らの意思で様々に主体的に取り組めるように黒子に徹して支援するような姿勢が私たちには必要ではないかと思うのです。
 人は、歴史ある存在です。生まれ、育てられ、成長し、大人になって、今度は子どもを育てたり、親を援けたり、そして、いつしか自分も介護を受ける側になりますが、それはすべての人に平等に訪れるものです。決して特別なことではありません。
 だから、人のありのままを受け止めつつ、いまこの時間をともに過ごすことが出来る事に感謝しながら、日々を送りたいものだと考えています。


 認知症になると、不確かさが増えてくるので、傍目から見て少し危険だったり、介護の手間が生じたりします。介護する側としては、先回りして事故を未然に防ごうと努めるため、結果「あれもダメ」「これもダメ」と言うことになってしまうことが少なくありません。
 この対応は一面においては仕方がないとも感じますが、”禁止”は相手を傷つけたり、相手から反感を買ったりしますので、認知症の進行防止にはかえって逆効果だったりします。
 また、禁止言葉が過ぎると言われる側は「生きる意欲」を剥奪されてしまい、折角まだ出来ることがあっても、それさえもできなくなってしまいます。
 センターでは認知症にかかっても毎日が活き活きと過ごせるように「いまを生きている実感が持てる過ごし方をしよう!」をスローガンに立て、活動の全面的な見直しと改善に取り組んでいるところです。皆様からの共感がスタッフを震い立たせてくれますので、応援していただけるととても嬉しいです!


●回想法とは、昔の懐かしい写真や音楽、昔使っていた馴染み深い家庭用品などを見たり、触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う心理療法です。
●回想法を行うことで、ご利用者とご利用者、ご利用者と職員のあいだに会話が生まれ、輪ができます。
●自分がその輪の中に居て、話をしたり、聴いたりする経験を繰り返すことで、自分の居場所を実感でき、安心してその場で過ごすことができます。